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2012年12月25日

疑惑

疑惑


真っ黒い木々の影の中をさ迷うように
真っ赤な夕立の雲間から黒い雨粒が
車窓を叩きつけるように
走りゆくバスから
移ろいゆく黒いものたちを 目の当たりにしながら
避けることも 拭うことも 取り払うことも出来ず
私は逃げるように
走り去る 風景に
黒く 追いかけられる
赤黒い夕立雲から
紫の雷が 空を裂いて
私は私を 試され 裁かれる

さっき 喋っていた友人の笑顔が
鏡にしか映らない
まるで
模写された黒い鉛筆画のように
ものひとつ 言えなくなって
額縁に入れられたままだ

どんなに
手を差し伸べても
あなたの肖像画は
届かない赤い空に引っかかったまま
私を 見下ろしている

狭い枠の中から
美しいモナリザの微笑を
裏返したような顔で
私を
白い目で 追い詰める

投稿者 つるぎ れい : 2012年12月25日 16:44

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