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2011年03月28日

しみ

しみ


私たちは言葉を蹂躙する
無形の言葉を注ぎ込み
器の中にシロップを混ぜる
ベッドの上の揺すられる裸婦
握ったシーツに手汗が沁みゆく

(汝 姦淫する事なかれ)

泉に指を差し込こみ呪文を囁くと
秘密の扉は海底から開かれる

あなたが満ちる
頭が白濁する
戒めがしみこむ

(汝 姦淫する事なかれ)

蝋燭が戴冠する炎に過去のフィルムたちが
セピア色に染まってゆく
蝋はしみこむ
炎は続く
私を溶かして透明にする
声も指も涙も嘘も
絶頂の哀しみに身を浸す

(罪なき者は この女を石にて打て)

私の五臓六腑にしみこんだ炎は
一夜の夢の灰となる
私は夢の残骸を拾う
ショーツの底に溜まった苦い潮
戻れない女の性(サガ)

(我も又 罪人なり)

私たちは言葉を蹂躙する

過ちの芳香(におい)
心裏腹 体が覚えた逢瀬の
うれしみ

投稿者 つるぎ れい : 2011年03月28日 23:14

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