« 2010年05月 | メイン | 2010年08月 »

2010年06月21日

嘘の履歴書

嘘の履歴書 愛猫の 肉球撫でる指先で 嘘をなぞる 紫の履歴書 カンパリにカルパッチョが似合うねと 言った日々を笑え雛罌粟 愛しき子 愛しき母よ 愛娘 女はひとり 三役こなして お部屋をね 用意するから 側にいて 予約不明の未来予想図 カリカリと 寂しくなれば 口にする 仔猫の憂い 行方知れず 泣きなさい あんな嘘つき 憎みなさい 貴女を犯した 蔦が這う指 顧みて 道に二輪咲く日々よ 君は雛罌粟(こくりこ) 我も雛罌粟(こくりこ)

投稿者 つるぎ れい : 19:23 | コメント (0) | トラックバック

2010年06月13日

さよならと蜂蜜

さよならと蜂蜜 さようなら 思い出包むその腕で 違う男を抱き締める 初めての痛さにも似た快楽を覚えて遊べ 親のない子よ 繰り返し流す涙は行方不明瞳の奥に 騙して笑え 思い出と泣いてる私に犬の咳 命ながらに永らく哭いて 恋人と女友達足して割る未熟な未来はおとぎ話し 綺麗でしょ プレゼントした寒紅を さした貴女が未だに紅く チョーカーが首輪みたいね笑い合う あの夏の日の仔猫は消えて 口移し から滑り出す チョコレートみたいな初夜の蜜 あなた以外愛せないと嘘をつき生きてしまった六年の罪 さようなら ただそれだけです さようなら お金も愛も持たない私 夜があけて 暁の星が光るころ 貴女の未来が輝くようにと

投稿者 つるぎ れい : 20:30 | コメント (0) | トラックバック

月の呪縛

「月の呪縛」 シーツの海で官能の声を張り上げ 貴女はどこへも逝けない薔薇バラの身  歪んだ口角の行方を知りすぎた女は 可愛いすぎる紅玉を啜りすすられ報いを受ける 相咲き乱れ溶けた胃液のプールで 貴女は独り揚羽の夢に沈む水中花 (赦さないで 赦さないよ) またこの屋敷においで 背中に刺青 痣の昴は嘘の痕 猫なで声で委ねた膣には 爪先のような 赤い三日月 罪の痕

投稿者 つるぎ れい : 03:02 | コメント (0) | トラックバック

2010年06月11日

「真剣」

「真剣」 人間でありたい 人間を描きたい フィラニアに侵食されて 抜け落ちる犬の毛並みを 私だと思うな 扉を開けてもらう甘え声の猫になるな サラブレッドには憧れるが その苦悩を知ろうと思うな 自由であれ 表現者であれ 自分を値切る甘さを棄てよ! 空を見上げよ 頭上にある星が欲しいなら 意志をぶつけて 手にいれろ! 孤高のあの人 今頃哭きながら 言葉を紡ぐ指に キスをする為 自分で手にした 星をなんと名付けて 私ごと差し出そうか 悩みは「悩殺」すべし

投稿者 つるぎ れい : 22:09 | コメント (0) | トラックバック

「霊感」

「霊感」 増幅する傀儡から 抜け落ちた邪恨の行方が オゾンを侵して 酸性雨から身体に 染み付いた地球の涙を 私の中の子供が痛がる時 突然変異の方程式が 感情にシンクロし 緋色袴の巫女は 黒衣の聖母になりて 骸を数える 高野の山の法師は 山に引きこもり 戦慄く経典の文字は 更々こぼれおち 殺意の予感が地上を ふきねけて 私を もう一人 降霊する

投稿者 つるぎ れい : 22:06 | コメント (0) | トラックバック

「鍔迫りあい」

「鍔迫りあい」 尖端の突起が 相手の真ん中に 身 一つで飛び込めば 皮 擦れあい 息 漏らしあい 重なる拳を上下に揺らしながら 焦らしあい 汗だくになりながら 鬩ぎあう どちらが袴の下を 覗き見るかの 真剣勝負 ※袴の下は男女問わずノーパンです(真剣な実話)

投稿者 つるぎ れい : 22:03 | コメント (0) | トラックバック

「なまつば」

「なまつば」 くれないに 染まった ふくよかな 君を視ていると なまつばが湧いて 仕方がない… ☆梅干し☆

投稿者 つるぎ れい : 21:57 | コメント (0) | トラックバック

2010年06月06日

質問

質問 信じるって どうすることですか どうすれば それができますか 強くなることですか 祈ることですか すがることですか それは 余裕ですか 不安ですか あなたですら 教えてくれないのは 誰もそれを知らないからですか?

投稿者 つるぎ れい : 16:40 | コメント (0) | トラックバック

夕暮れ時には

夕暮れ時には 夕暮れ時には 細い西日がよく似合う 高い水色だった空が やや瑠璃色に染まり ベンチには 独り佇む老人がよく似合う 夕暮れ時には 男性遍歴を重ねた 熟年女が歌う スローバラードがよく似合う 恋愛の苦さが耳に染み込む そういう深い色がよく似合う 夕暮れ時には 一冊の小さな詩集がよく似合う 今日の労力を 少しだけ労うような 先人たちの想いがよく似合う 夕暮れ時には 水滴がよく似合う 今日という終焉の美を 讃えるために 涙を一粒 こぼせばいい その雫一滴で 今日の夕暮れは炎を鎮め 私達に 夜という潤いを運んでくるだろう

投稿者 つるぎ れい : 16:37 | コメント (0) | トラックバック

2010年06月04日

呪いと縁(えにし)

呪いと縁(えにし) 母恋し 亡く泣く歳月 どこにある 見上げた空が 茜に滲んで 敬えと 言い切る人は 他人事 空言寝て言え 宗教法人 夕暮れは おうまがどきと 言うではないか 本当の母に 会える気がして 感謝せよ 感謝せよと繰り返す CDデッキは空回りのまま 産んでくれ 頼ん覚えありません 神の誤算を呪う夕暮れ もういいや どうでもいいや 泣いてみて 笑ってみても 絶てない縁(えにし) おかあさん おかあさんと泣いている 私の中の子供が騒ぐ 大好きに なれない痛み誰が知ろう 友にも言えずまして母には 親の愛 知らない子は 走り出す 愛を求めて 遍歴の旅 暮れてゆく空闇色に染まるのに 私の頬に 母への流星

投稿者 つるぎ れい : 15:07 | コメント (0) | トラックバック