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2010年07月27日

ああ!引越し(3)

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蝶 浅黄まだら(アサギマダラ)の飛行

引っ越しの前日、梱包に来た業者派遣の20代のお姉さんたちのエネルギーに引っ張り込まれ、同等に働いてもいないのに、若々しい人いきれに触れてくたくたになった。
若い恋人を持ったマダムってきっと無理して疲れているに違いない。
彼女たちに、別の部屋で休んでおくように言われたのだが、何を梱包しているのかわかる音が左右から聞こえてくるので、神経がそちらにぞぞぞぞっと向いて、働いてる人の横で何もしないで何かに耐えている気持になった。
梱包が終わった次の日はいよいよ引っ越しで、今度から住む部屋に、今までの荷物のどれを運び、どう配置するか、今度は青年たちの総指揮をとらなければならず、捨てるものと持ってゆくものに目を光らせ、その間に食事をとり、限りのない階段を上り下りする運動競技を1日中やっているようだったが、終わりは日暮れとともにやってきた。
暑い夏の真っ盛り、若い者に混じって、頼まれもしないのに勢いで荷物をかかえて一緒に笑っている時はよかったが、次の日は節々が痛くなっていた。

よれよれのカーテンは全部捨て、様々な色のワンピースを大きな窓にかけた。
光がさすと白、赤、ピンク、ブルー、混合色のワンピースから色が床に落ちた。

光ファイバーや電話やテレビの設定、部屋の内装、水回り関係は、このひどすぎる暑さの中、全部プロのおじさんたちがやってくれていた。
働きぶりに感動し褒めたり、なだめたり、すかしたり、時には威したりもして、くたくただった。
おじさんたちは、こちらがちゃんとしていないとなめてかかってくる。
違反ではないのに、引越しの車の駐車を目ざとく見つけては文句をつけるので有名なおじいさんが岩に隠れていたハブのごとく現れ、あっちとこっちで2名もいて胸ぐらつかんでおおにぎわい、ここはイタリアかと思った。
金曜日からずっと、口にゴム紐をくわえてマラソンをしている状態、ゴムが伸びきった5日目の今日夕方から眠気に襲われ、伸びたゴムがバチンと元に戻った。

ああ美しいものを見たいと心の中で叫んでいた。
しあわせに眠って夢の中で蝶になって、花にとまりたい、空に吸い込まれたい。
蝶の浅黄まだらが林の中で木に沿って上へ上へと舞い上り消えて行く映像を思い出して呼吸を整え、休憩をとった。
6階の窓からは今まで見たこともなかった入道雲の間を飛び交う赤とんぼが50匹ばかり、学校が鳴らすチャイムと川の流れ、夕陽を背に遠くから時間をかけて歩いてくる人がいる。

投稿者 mari : 2010年07月27日 22:50