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2006年12月19日

個人的映画寸評 NO30「トリスタンとイゾルデ」

トリスタン(イングランドの若き騎士)と
イゾルデ(アイルランド王の娘)の
悲しくも美しい陰影の濃い悲恋物語
イングランドとアイルランドとの間には抗争が続いていました
2人の永遠の別れの辛さ美しさが尾を引き
劇場に3回足を運びました
トリスタン役の男優ジェームズ・フランコには
トリスタンの魂が降りて来ていたように思えました
(彼はジェームス・ディーンも演じました)
映像のトリスタンはどの角度から見ても、どんなに隅にいても
空から落ちてきた密度の濃い隕石のエネルギーを放出
どこにいても目立っていて
主役そのもの
この人を見に行っていたようなものです
悲しそうで苦しそうで美そのものでした
そのせいか
まのびしたように見えたのが誠実で人のよい王

イゾルデ(女優ソフイア・マイルズ)は闘いで
トリスタンを失います
イゾルデがトリスタンの子供を授かっていればと思います
若いみそらでトリスタンを失い
日本だと仏門に入るのでしょう
イゾルデと王は政略結婚の間柄です
誠実ないい人顔の王のお妃ではかわいそうです
王はトリスタンとイゾルデの仲を知り船で逃がそうとします
王がトリスタン亡きあと
イゾルデを慰め彼女が先々王の子を産むとしたら
トリスタンにとっては裏切り行為です
イゾルデのこれからの一生の送り方としては

1)1人の薬草に詳しい平民になって医者として一生を終える
2)王妃として暮らす
3)尼になる
イゾルデはどうしたのでしょうか

投稿者 mari : 10:00 | コメント (1)

2006年12月12日

個人的映画寸評 NO29「フラガール」

北国の常磐ハワイアンセンターで
閉鎖寸前の炭鉱の貧しい娘たちが急遽フラガールになり
生活の糧を得、家族を養おうとする
必死に練習し舞台に立つ彼女たち
これだけでもつまらないあきあきさせられる踊りを見せられる心配はない


エネルギー革命による炭鉱閉鎖は昭和40年ごろから起こる
東京からやってきたダンス教師(女優・松雪泰子)のダンスは美しく、切れる!
場面が変わるのが惜しいほど見惚れてしまう
中心ダンサーとしての女優・蒼井優も若くてすがすがしい(踊りのバレーをやっていた)
全員で踊るフラダンスは乗り越えてきた苦労を知っているので胸が熱くなる
ひとふりごとに現状を乗り越えようとする意気込みが感じられる
(そのように想像させる映画の進行)
劇場に集まった女性たちがはらはらと泣いている
帰り際に「ダンスだけでも見に来る価値があったね」と
大きな声で友達と話している人がいたが
皆の心に共感として快く響いた

女優・富司純子の未亡人のよごれ役(ダンサーの母親)は悪くはなかった
この人のよごれ役はいつも必死で一生懸命だが
陰の気が漂いこちらの力が萎えるところで止まる
苦労した人の豊かなしたたかさが置き去りにされた演技だ
富司純子の娘の女優・寺島しのぶは賞など取ったりしたが
その恥ずかしさをかなぐり捨てた懸命な演技には
なぜかいきなりわがままに切りつけて来る感じがつきまとう
石田あゆみもすさまじい名演技でどこから出てくるのかと思わせる
鬼気迫る声を出すことがあるが、やりすぎじゃないのと耳をふさぐ
生々しい声を出すほうは役になりきっていて達成感あるんでしょうけれど
蒼井優さんの掲げる両腕がすっくと開いて伸びてハワイアンにそぐわない感じ
肉付きのよい女性たちの両腕には楽しい安定感があった

投稿者 mari : 11:45

2006年12月08日

夢中なファンタジー (1) 「ダレン・シャン」 (半バンパイヤ少年の数奇な物語)

1巻目は異形の者たちの集団の怪しいサーカスを
主人公のダレン・シャンが教師に隠れて見に行くところからはじまります
ほんもののウルフマン、蛇少年、ひげ女、両手で走るハンスハンズ、
マダム・オクタ(世界一美しい毒蜘蛛)等々が一流の芸を披露
主人公の少年ダレン・シャンの大親友スティーブは
悪質で人をつまずかせることに長けています
スティーブが異形の者の集まるサーカスに
バンパイヤが1人潜んでいることを突き止めます
ダレン・シャンは彼を助けるために
半分バンパイヤ(吸血鬼)にされてしまいます
両親と妹はダレン・シャンが死んだと思い込み彼を埋葬します
ダレン・シャンは墓から掘り出されバンパイヤの手下となります
闇の世界で生きていかなくてはならないダレ・シャンは
人間としての生活をあきらめ、人間の心とバンパイアの心に葛藤しながら
若いみそらで過酷で数奇な運命をたどります
物語中のバンパイヤは名誉を重んじる高潔な人物が多く
人間を殺めず何百年かの孤独に耐えて生きています
バンパニーズが人やバンパイヤを、すきさえあれば殺し滅ぼそうとする集団です


日ごろの断片的な夢の中でも味わえないような
不思議で怪しい鳥肌が立つ場面の連続
手に汗握るような創作物語が12巻まで続いています
ダレン・シャン少年が失敗を重ねながら
絶体絶命の尋常ではない状況を受け入れ
めげずに歩き始めるところがいいですね

映画好きの作者によって味付けされた映像力抜群のカラー映像が
(ある時は陰影のあるモノトーンで)
スピード感をもって次々に展開して行きます
複雑な色彩も台詞も人を厭きさせず興味をそらしません


4年前九州の大宰府の絵画教室の少年が描いた
不思議な暗さの漂う少年の絵に惹きつけられました
聞いてみると絵の中の少年の名が「ダレン・シャン」でした

いまやファンタジー小説「ダレン・シャン」は小学生・中学生の間で
おしもおされぬ大人気です(まだまだ上り坂です)
子供が吸血鬼に興味を持つなんてとんでもないといぶからないで欲しいものです
一人で耐え抜いてゆかなければならない主人公の孤独に
共感できる苦悩する複雑な脳を、幸か不幸か現代の子供は持つようになったのです
感受性や素質が豊かなので、画一的な学校や社会からはみ出てしまいそうになる子供は
親も教師も友達も信じることが出来ず
暴れない子は不安と苛立ちに襲われ、静かに悲しくもがいています
ダレン・シャンがどんな風に現実に立ち向かうか
しっかり自分のことのように感受し
自殺などしないで欲しいものです
「ダレン・シャン」の作者の名前は主人公と同じダレン・シャン
1972年ロンドン生まれの男性(34歳)です
アメリカで映画化が始まっているそうです
小説と違った面白さが出るといいなと心待ちにしています

投稿者 mari : 01:21

2006年12月04日

個人的映画寸評 NO28「プラダを着た悪魔」

素敵だったのは、カリスマ女性編集長のミランダのソフトなしゃべり方と柔らかな声
女優メリル・ストリープがまるで100年前からそうだったように
かっこよくなりきって演じています
おじさん、おばさんの怒鳴り声はいただけませんものね
題名にあるプラダとはブランド名
予告編ではどたばた喜劇に見えたのですが内容は意外としっかりしたものでした


大学出たてのジャーナリスト志願の女性アンディ (ファッションセンスゼロ)が
NYの超一流ファッション雑誌のカリスマ女性編集長ミランダ(プラダを着た悪魔)
に気に入られ、アシスタントに合格します
アンディのファッションにも磨きがかかり
カリスマ女性編集長の横暴な要求にも応えられるようになるかわりに
恋人や友人たちとは疎遠になります
今までとは違った階層の人々と交流するようになり
カリスマ女性編集長のお供でパリのファッションショーに出かけ
様々な駆け引きに巻き込まれます
以前借りを作ってしまった男性と
誘われるままにベットで一夜をあかします
一夜を共にするとどんどん重要な秘密が自分のものになり
ポジションも守れるなんてよく聞く話
賞を取りたくて無意識のうちにゴマをする人もどこにでもいますよね
賞に恵まれないとこの世界つぶしがきかず風あたりがひどいらしい
そんな女性が3人〜5人いれば女どうしの争奪戦がはじまります
(日本の大奥めいていますね)
最低と思う人
仕方ないと思う人
最高と思う人
いろいろとおられます

アンデイは嫌気がさしたのか
突然びっくりするほど軽く
誰もが憧れてなりたがるアシスタントの仕事を投げ捨て
ジャーナリスト志願の無職に戻ります


1年もたたないうちにむざむざとよい職を捨ててしまうなんて
今まで苦労してやってきた仕事は何だったのでしょう
惜しい、うらやましい、考えられない、作り話だ!
ひょっとしたらジャーナリストとしての腕よりも
アシスタントとしての腕の方がいいかもしれないのに・・・
仕事を誠実にこなそうとすればしばらくは時間がなくなることを
理解してくれようとしなかった元恋人、元友達
そんな人たちとこれから復縁し
自分の時間をその人たちと合わせようとするのですか
ジャーナリストになれたら時間はもっと過酷になるかもしれませんよ
カリスマ編集長のアシスタントとして毒食らわば皿までの根性見せて欲しかったな
これでは中途半端なのではないでしょうか
日本のことわざにも石の上にも3年ってありますよ

2006年 アメリカ作品 1時間50分

投稿者 mari : 15:41

2006年12月02日

映画館の「こまったさん」(5)

今日は結構真面目な話題です
アベックは自分たちの周りに城壁を築いています
熱々の恋人たちならなおさらのことです
遠く離れて2人で座ったり
他の人と1つか2つあけて2人きりで座りたがります
映画の怖い場面のたびに女性の方が男性に体を寄せます
それはあっちでもこっちでも決まりごとのように一斉に起こります
落語とか漫才の中だけではなくほんとうにあるのですね
いまさら驚くことでもないけど、初めからべったりの2人もいます

さて
アベックの2人が映画を気に入るといいのですが
そうでないと他の人など眼中にないので
延々と小声のおしゃべりが始まります
小旅行やドライブの話
結婚式の引き出物の話や住宅ローンの話をここでするのかいもう
映画館でうるさいなーって思われることいやじゃありません?
「シー」って注意されたあといい年して無分別だなって自己嫌悪に陥りません?
ほほえましくて楽しそうな「こまったさんたち」です
もう慣れましたけどね
席を変わる事も覚えました
そんなことしなくてもたいていまわりから注意の声がかかります
映画見るのを中断してアベックに注意すると
そんなことをした1分間が空白になるので
最後まで気分がレベルダウン
どの場面も見逃したくない私にとって
もう1回初めから見ないとならなくなるのです

投稿者 mari : 18:55

2006年12月01日

映画館の「こまったさん」(4)

「電車男」を見に行った時は
劇場は若い女の子であふれかえっていました
ひらひらしたスカートの花が咲き、リボンが舞い
可愛いパンツ(昔のズボン)など色とりどり
お菓子が飛び、靴が踊る
きゃきゃきゃきゃと言う声が
全体から沸き起こっても高崎山の猿とは大違い
人の子らしい成長ホルモンの匂いが春を思わせる

飲み物をこぼして「キャーキャハハハ」
大急ぎでトイレからか帰って「キャーキャハハハ」
まいこ!さやか!などと名前を呼び合い「キャーキャハハハ」
うるさいけれど少女の海に浸れます
私ロリータ趣味のおっさんになった感じがします
しかしこの子達はこまったさんではありません

2〜3箇所に20代の女性3人グループがいて
こんなことを言っています

20代グループ 「子供が多いねーなんでやねん」
日嘉 「50代の私と比べたらあんたたちも子供でないかい」(声なき声)
20代グループ 「がきのこづかい多いもんね うちらより金持ちかも」
日嘉 「そうかも」(声なき声)
20代グループ 「ぶすぶすぶすぶす(声なき声)」
日嘉 「このぼやきあたりの空気を悪くしますね」(声なき声)


こまったさん=20代女性グループ
今から始まる時に意地の悪いこと言う人の横にいると
とてもつまらなくなります

投稿者 mari : 09:43